火曜の夜にバスを待つ 〜ディズニーワールドで働く〜

三味線の師匠がCRプログラム生としてアメリカのWDWで働いていたブログです

ゲスト目線で見た日本館に対する正直な感想を述べよ

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こんにちは、hanaeです。

 

アメリカや諸外国で、なぜだか白い米粒や麺類や発酵食品が恋しくなる時があります。

 

無性に食べたいこの気持ちが高ぶった時、ふと目の前に「FUJIYAMA」やら「TOKYO」と書いた怪しげな日本食レストランが現れます。全く期待せずに入り、どう見ても日本人じゃないサーバーに、カリフォルニアロールとミソスープとテンプラモリアワセを注文します。そして店内の変な浮世絵や、竹のインテリアを横目にこう思うのです。

 

「ああ、やっぱ日本のイメージって、まだまだ”ここ”から脱却できないんだなあ。」

と。

 

 

アメリカ・フロリダ州、オーランドのウォルト・ディズニー・ワールドで一年間働けるCRプログラム。

 

勤務地は「近未来と世界の文化」がテーマのエプコット。その中にある日本館という、日本の疑似体験ができる施設の中での勤務です。経営はデパートでもお馴染みの三越。こちらでは「米国三越」という名前で経営をされています。

ですので、CRプログラム生になると言うことは、米国三越の契約社員になる、ということなのでございます。

 

 

この日本館。私はCR生として勤務する前に、ゲストとして3回ほど訪れたことがあります。10代の頃に1回、20代の頃に2回です。

 

まあ、その時の印象を正直に話します。正直に話しますよ?

 

 

「なにこれー!?(うっわー…両部鳥居…厳島神社だよ……。むむ?白鷺城…?じゃ、ないけど白鷺城のようなものだよな…。なんか惜しいんだよな。法隆寺の五重塔まであるよ。意外と凝ってんな。あ、五重塔の中は入れないのか。なんだこの門…?「こんにちは」?門に「こんにちは」って書いてあるどうしよう!)ぎゃはは!!!

 

 

…こんな感じです。つまり、「この日本、なんかヘン!」っていうのが第一印象だったのです。でも、それがこの国、アメリカ、ディズニーで求められている”日本”像なんだということも分かりました。あの敷地面積に箱庭のように”日本”を詰め込んだら、だいたいあんな仕上がりになるんだろうと思います。

 

次に、店内に入った時の印象を話します。

 

(こんにちは門から中に入る私)

「いらっしゃいませ!Welcome to Japan!」

 

「こんにちはー。(わーーーー!日本人だー!日本人だよー!!!…あ、ここ日本のお菓子とかお酒とか売ってるんだ。キットカット抹茶味売れてるな。美味しいもんね。分かるよ。おお、なんだこの忍者って書いたハチマキ!誰が買うんだこれ!…あー…着物ね。よく浅草の仲見世で売ってるようなぺらぺらの着物ね。…あ、買う人いるんだ。なんか嬉しー。うおおアニメグッズ!ちゃんと市場リサーチしてるぽいところがすげええええ!ポケモンやっぱ人気なんだ!!わ、なんかいきなり貝開けパフォーマンス始まったし!!!)」

 

その時立ち寄ったマーチャンダイズで一番気になった商品は「NINJA」と書かれた分厚い写真集でした。誰得だ?これ?そしてやっぱりNIPPONのイメージってFUJIYAMA,GEISYA,NINJAなんですねえ。

 

レストランに入ったことはなかったのですが、鉄板焼きとカリフォルニアロールを出していて、結構いい値段取ってるということは知っていました。まだ外のクイックサービスが「ヤキトリハウス」だった頃に、やたら出汁の色の濃い関東風うどんを食べた記憶がうっすらあります。

 

 

…そういう所で私たち働いてました!

 

いや、これがリアルな日本だなんて私たちからしたら苦笑ものでしょう。

でもちゃんと”ゲストが望む”日本像にきちんと当てはまってるんですよ。正直なところ、中国館と日本館を勘違いしてくるゲストもいるぐらいなので、海外から見たらアジアは十把一絡げなんだと思います。

 

CRプログラム生として日本館に立ち寄るのと、それ以前にゲストとして立ち寄るのでは随分と印象も違うのではないかと思います。

 

私はゲストとして立ち寄った時は「まさか自分がここで働く」なんて思ってなかったわけですから、結構笑ってました。嫌な客で本当すいません。

 

ですが、CRプログラム生に選ばれ、準備をし、渡米し、勤務に慣れるまで必死で働いて…一年間の勤務を終えー…ふとこの出来損ないのような白鷺城、”日本”と書かれた両部鳥居、意味不明なこんにちは門、紫宸殿をイメージした本館(って言っても、紫宸殿が今ひとつピンとこない)を見ると、とても愛おしく感じるのです。

 

この日本館はディズニーと三越が作った”都合の良い寄せ集め”の日本なのですが、その”都合の良い寄せ集め”の日本で、CRプログラム生はできる限り”日本”を感じられるサービスを提供してきました。他ならぬ私たちも”日本館”を形成する一つのピースだったのです。

 

これから先の日本館も、まだ見ぬピースによって繰り返し作られていくのだと思うと、愛おしさを感じずにはいられないのです。