火曜の夜にバスを待つ 〜ディズニーワールドで働く〜

三味線の師匠がCRプログラム生としてアメリカのWDWで働いていたブログです

感情を揺さぶられるのは視覚からだけじゃない

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「帰国後の話なんて聞きたくねーよ!」

と反抗期の中二の息子よろしくドアをバンっ!と閉める音が聞こえるようです。

 

 

帰国後の話します。

帰国後一ヶ月ぐらいは(送った荷物が船便でついたりしたので、すぐには荷物の整理ができないんだ)とにかく荷物の整理で大変でした。

 

買ってきたお土産を配ったり、お世話になった人に帰国報告したり、服を洗濯したり片付けたり…

研修で配られた資料とか、終わってしまえば「どーすりゃいの?」となってしまうのですが、それも片付けて(捨てはしない)しまいました。

 

 

そのとき、船便の荷物の中にジッパーケースに入った手紙の束を見つけました。

けっこうCR生活でお手紙を書いたりもらったりする機会があったのですが、それを全部100均のA4サイズのジッパーケースに入れてました。いろいろなサイズのお手紙を頂いたので、それらを全部入れるのに、ジッパーケースはとても重宝したのです。

 

 

その手紙を読もうと、ジッパーケースを開けると…

そこには私が住んでいた部屋の匂いがまだ残っていました。

 

 

写真を見ても、映像を見ても、買ったものを見ても、懐かしい気持ちにはなります。ですが、匂いの懐かしさを感じるのは本当に一瞬で、儚くて、それはもう言語化できない感覚でした。部屋に特殊な芳香剤を置いていたわけでもなく、私もルームメイトもあまり香水もつけていませんでした。あの香りは生活の中で自然に出来ていったんだと思います。

 

 

未だにまだそのジッパーケースの中には部屋の香りがうっすらとですが残っています。でもこの匂いの感覚って、もう誰とも共有できないんです。おそらくルームメイトに会って、このジッパーケースに残った部屋の匂いを嗅いでもらうことはできるかもしれません。ですが、ルームメイトと私は違う感覚で生きています。みんなそれぞれに、嗅覚や視覚や触覚や味覚があって、思い出や感情を揺さぶられるトリガーは他人と全く違っていると思うからです。

例えば同じものを見ていても、私と誰かでは見えている世界が違うのです。嗅覚もそれと同じで、嗅いでわき起こる感情は個々に違うものです。

 

そう思った時に、より一層どうしようもなく切なくて懐かしい気持ちになりました。

 

 

オーランドにいる時、日常過ぎて掴めなかったあの暑さや、あの音や、香りがどれだけ一瞬で儚いものだったのか。そしてあの時間に終わりがあって、一瞬だったからこそとても愛おしいと感じるんです。

 

 

今まさにプログラム中のみなさんも、帰国すれば感じるようになると思います…。

だから今こそ、よく見て、感じて、味わって、嗅いで、触れた思い出をたくさん作ってください。